余生の設計図~65歳からの30年間

概要

 60~65歳ごろまでに完全に無職になった場合、その後、長寿の場合には、90~95歳まで、人生で最初で最後の30年間もの自由時間がある。

 これを余生と呼ぶならば、できるかぎり、快適で充実した楽しい期間にしなければ、もったいない。そのためには、「許された時間の中で、自分は何をしたいのか」、「何をすべきか」、「何をしてはならないのか」という自分自身の整理が必要だ。寿命までに、やりたいことリストが「余生の設計図」だ。

思っていたよりも余生は長い

寿命までに、やりたいことリスト

 つまり、仮に、「自分の余生が65歳から95歳までだ」とすれば、実際に、その30年間をどのように過ごすつもりなのか。

 また、「楽しく充実した余生」、「立つ鳥、跡を濁さずという引き際」を目指すためには、何を、どのように準備すれば良いのか。

 空想でも理想でも妄想でも良いから、まずは、現時点で、あれこれイメージし、思いつくままに夢や課題、たどるべき道筋を列挙してみよう。

 たとえば、どこの地域で、どのような住まいで、誰と、何をして過ごすのか。生計、医療や趣味、交友はどうするのか。これからの夢は何か。何を目指すのか、どのように余生を楽しむのか、終活や身辺整理をどうするのか等々である。

 これらを、順次、順不同に書き足しながら、何度も整理し、自分だけの「余生の設計図」を積み上げていくのだ。ただし、綿密で完璧な設計図を描くことは誰にもできない。また、妄想しても、着手できない事項もある。

 そこで、死ぬまでに「絶対にやっておきたいこと」、「やっておくべきこと」、「そのために必要な準備事項や手順」をランダムに列挙する。そして、実現可能性を踏まえ、優先順位をつけて着手する。重病で余命宣告された人が作るという「死ぬまでに、やりたいことリスト」と似ている。

 その際には、健康寿命(男72.68歳、女75.38歳)を意識しながら、それぞれの課題ごとに、短期(70歳まで)・中期(75歳まで)・長期(76歳以降)ごとの到達目標、そのための方策や準備、手順や行動目標を設定する。

 可能ならば、その際の手法や実施上の懸案事項なども書き加えていく。自分に残された歳月を計算しながら、実際に手を動かして、こうしたメモ作りをする過程で、かなり、頭の整理ができるのではないかと思う。

 つまり、「許された時間の中で、自分は何をしたいのか」、「何をすべきか」、「何をしてはならないのか」という自分自身の整理が必要なのだ。頭の中だけで漠然と考えるのではなく、必ず、具体的な文字にすることが不可欠だ。

 ただし、言うまでもなく、「余生の設計図の最終版」は永遠に完成しない。余生の設計図が完璧になるまで練り上げようと悩んでいると、先に寿命が来て実行する時間がなくなってしまう。また、明日にでも、意外と早くお迎えが来てしまうかもしれない。

軌道修正しながら、順次、実行する

自分だけの余生の過ごし方を計画・実行する

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